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ステージ上でリハーサルを行うトヨタの金子主査。新しいプリウスPHVが何台も並ぶ、とても広い会場。ステージ上でリハーサルを行うトヨタの金子主査。新しいプリウスPHVが何台も並ぶ、とても広い会場。

 

リハーサル会場で見た光景とは?
新しい〈プリウスPHV〉の開発責任者であるトヨタの金子將一主査は、この日、東京お台場にある日本科学未来館にいた。毎週火曜が休館日のこの施設で、翌日の発表会本番に先立ってリハーサルが行われていたのだ。
18時。通用口から入ると、1階にある発表会会場にはたくさんのパイプ椅子が並べられ、ステージ上にはブルーのプリウスPHV。本番さながらの緊張感に包まれた会場では、スタッフが慌ただしく行き交い、時間は刻一刻と過ぎていく。
プレゼンテーションのリハーサルを終え、ステージを降りたばかりの金子主査。もともと、エンジンの開発を長く担当してきたという腕利きのエンジニアに、まずは今の心境を尋ねてみた。

 

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発売と発表会を翌日に控えた、現在の気持ちは?
金子
そうですね。緊張しないようにと、自分に言い聞かせています(笑)。ここは、初代プリウスPHVの記者発表も行った思い出の場所なんですよ。

 

 

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z1-7本番に向けて、プレゼンテーション映像の試写が繰り返し行われる「発表前夜」。

 

キャンプ場で電源として使うことだってできる
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プリウスPHVは、どんなクルマですか?
金子
クルマは、A地点からB地点まで人やモノを運んでくれるものです。しかし、プリウスPHVは、バッテリーに電力を蓄えて走っているので、貯めたエネルギーを取り出すことでキャンプ場で電源として使うことだってできるのです。
例えば携帯電話は、当初のメイン機能である通話にとどまらず、スマートフォンの登場もあって、新しい使われ方が広く受け入れられていますよね。プリウスPHVをクルマの進化という視点で捉えると、燃費がいいとか、EV走行とハイブリッド走行をユーザーが選んでエネルギーを節約しながら走れるというクルマとしての性能に加えて、充電池としての使い方やつながる機能など、いろんな使い方が考えられます。
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EV走行とハイブリッド走行を選べるメリットは?
金子
一般的に、電気自動車(EV)は、高速道路など高速走行時のほうがエネルギーロスが大きくなるクルマです。一方で、エンジンで走るクルマは、一般道よりも高速道路のほうが燃費がよくなります。つまり、電気でもガソリンでも走るプリウスPHVは、1台のクルマが持つ総エネルギーを、低速に有利なEVモード、高速に有利なハイブリッドモードと使い分けることで、さらにエネルギーを節約して走ることができるというわけです。
特に今回のプリウスPHVのEVモードは、デュアルモーターによって、エンジンを使わず、EVだけで走れるシーンが多くなっています。プリウスPHVの効率がいい走り方を多くの人に知ってもらって、上手に使ってもらいたいと思っています。

 

 

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明日の晴れ舞台を目前に控え、期待と緊張が入り交じったような表情で語る金子主査。明日の晴れ舞台を目前に控え、期待と緊張が入り交じったような表情で語る金子主査。

 

心地よく走れるセッティングに仕上げた
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EVの方が、スタート時の加速は速いそうですね。
金子
モーターのほうが、トルクがすぐに立ち上がりますからね。アクセルを全開にした走行は、EV走行よりもハイブリッド走行のほうが得意領域ですが、トルクを感じられるハーフスロットルでの走行はEV走行の強み。日本の道路環境のように、渋滞や街中でのゴーストップが多くて、低速領域で走ることが多いとなると、加速感があるEV走行が快適に感じられるはずです。
それでいて、充電池を積んでいる分どっしりしてて、高速道路などでも直進安定性がとっても良くなっています。開発段階では、渋滞した道や高速道路といった日本の道路だけでなく、ロンドンやパリを走って、心地よく走れるセッティングに仕上げました。

>>後編 に続きます。