Q

あなたが考えるPHVとは?

A

自分の軸を大切にしながら、
マージナルな位置にいること。

『髪とアタシ』編集長・ミネ シンゴのPHVな音楽

1

TRUE LOVE

クリープハイプ

世界観(2016)

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ロックミュージックの中に、華麗にラップが織り込まれた曲。踊りたくなるメロディと、口ずさみたくなる歌詞は、寝起きの不透明な思考を吹き飛ばしてくれる。朝に聴くことが多い覚醒曲。

2

L.I.J.P

blend note

BRID POP (2011)

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ジャズとPOPがフュージョンした、聴いたときの「新感覚」は忘れられない。静かで、青い炎が燃えているようなメロディとヴォーカルの声にうっとりする。仕事の帰り道によく聴いている。

3

A Rota Do Indeviduo

Djavan

Coisa De Acender (1992)

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ぼくの中で、ブラジル音楽といえばこれ。こんなに美しい声と、ギターの音色がマッチする人はいない、と初めて聴いたときに鳥肌が立った。夕暮れ時の、大切な人を待ち合わせているときに。

4

パレード

LUCKY TAPES

Cigarette & Alcohol (2016)

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ヴォーカルでありフロントマンの高橋海の前髪は、ライブ中いっさい動かない。美しすぎるマッシュヘアと、儚い声の相性が世界観をつくる。落ち着くときも、あがるときもあるPHVな曲。

5

GIRL AT THE STOP

シャムキャッツ

TAKE CARE (2015)

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どこか懐かしい感じがする。でも、その懐かしい感じの曲はオンタイムで聴いてなくて、でもどこか懐かしい感じがするんだ。PHVな音楽とは、いとも簡単に時空を超える気がする。

6

起点

蓮沼執太

メロディーズ (2016)

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駆け抜けるメロディと、これからなにか始まりそうな予感がする曲。本人の音楽シーンは舞台や映画にコンサート、パフォーマンスにインスタレーションとボーダーレスだ。いとも簡単にその壁を乗り越えてくる存在感がある。

30歳のとき勤めていた会社を辞め、独立するタイミングで自分の軸は、髪、編集、そして暮らしの3本柱だ、ということに思い当たりました。以来、この3つの条件がクリアになっている仕事をしようと心がけています。
 神奈川県の逗子に移住して個人出版社を始めてからその傾向はもっと強くなっています。決して「ローカル」という感覚が好きなわけではなくて、東京という大きな都市と丁度よく付き合えて、自分自身の大事なものと向き合える適切な距離の場所が「ここ」だったんだという気がしています。
 自分が編集長を務め、逗子から世界に向けて発信している美容文藝誌『髪とアタシ』は文字通り「髪」をテーマにした雑誌です。2017年一発目のテーマは「音楽と髪」。髪と音楽、髪とミュージシャンの髪との不可分な関係について考えた号です。今回のプレイリストで選んだ楽曲のミュージシャンも何人か登場しています。
 自分がもともと美容師だったという経歴も影響しているのですが、この『髪とアタシ』という雑誌では「髪」と何か別のベクトルのものを掛け合わせることによって、新たなカルチャーを作ることができるんじゃないかと思っています。それは、過去にあったものの再生産ではなく、新しい本流を作る行為だと思っています。「髪」という誰もが持っている当たり前のものに新たな意味を与える、そんなことをしたいと思っています。
 美容師をやっていた時、そしていま、本を作ったりラジオに出たりする時も常々感じるのですが、自分は「言葉」を本当に大事に思っています。例えば、80歳の理髪師に話を聞く時、あるいは髪型にこだわるロックンローラーにインタビューする時、そこには失われるはずだった言葉と新鮮な驚きがあります。
 この驚きを常に感じて記録していきたいから、ある意味で「素人」でいたいと思っています。玄人になって安寧するのではなく、ヒリヒリとした緊張感のもとマージナルな位置にいながら、新しい発見と出会いたいと思っています。

ミネ シンゴ

みね・しんご/編集者、カメラマン。1984年生まれ、逗子在住。夫婦出版社 合同会社アタシ社 代表社員。東京、神奈川で美容師4年、美容専門出版社 髪書房にて月刊Ocappa編集部に2年在籍したのち、 2011年10月にリクルート入社。 リクルート在籍中に『美容文藝誌 髪とアタシ』を創刊。 フリーペーパーKAMAKURA 副代表、『渋谷のラジオ』パーソナリティ、『近い将来、鎌倉逗子に住みたい学』モデレーター@BUKATSUDO